1. Linuxのエージェントインストールファイルをダウンロードする
 ※Linuxエージェントをインストールするには、少なくとも2GBの空きディスク領域が必要です。

1) バックアップウェブ管理画面 にアクセスします。
2) [すべてのデバイス] > [追加] の順にクリックします。
3) Linux を選択し、ファイルをダウンロードします。


2. エージェントをインストールする環境のファイアウォールおよびネットワークセキュリティシステムを確認する
インストールする前に、ファイアウォールおよびネットワークセキュリティシステム(プロキシサーバーなど)で次のTCPポートを使用した受信と送信の接続が許可されていることを確認します。

443 および 8443 
 これらのポートは、バックアップコンソールへのアクセス、エージェントの登録、
 証明書のダウンロード、ユーザー認証、クラウドストレージからのファイルダウンロードに
 使用されます。

7770...7800 
 エージェントはこれらのポートを使用してバックアップマネージメントサーバーと通信します。

44445 
 エージェントはバックアップ時および復元時のデータ転送にこのポートを使用します。

3. 必要なモジュールを Linuxカーネルに追加する
必要なモジュールを Linuxカーネルに追加するには、セットアッププログラムに次の Linuxパッケージが必要です。

・カーネルのヘッダーまたはソースを持つパッケージ。パッケージのバージョンは、カーネルのバージョンに一致している必要があります。

・GNU コンパイラ コレクション(GCC)コンパイラ システム(GCCはカーネルがコンパイルされたバージョンである必要があります)

・makeツール

・perlインタプリタ
 これらのパッケージの名前は、Linux ディストリビューションによって異なります。
 Red Hat Enterprise Linux、CentOS、および Fedora では、
 通常、パッケージはセットアッププログラムによってインストールされます。
 その他のディストリビューションで、パッケージがインストールされていない場合や、
 必要なバージョンがインストールされていない場合は、パッケージをインストールする必要が
 あります。

▼パッケージが既にインストールされていることを確認するには、次の手順を実施します。
1) カーネルのバージョンと必要な GCCバージョンを確認するには、次のコマンドを実行します。

cat /proc/version

このコマンドにより、次のような行が返されます。
 Linux version 2.6.35.6 および gcc version 4.5.1

2) makeツールと GCC コンパイラがインストールされているかどうかを確認するには、次のコマンドを実行します。

make -v
gcc -v

gcc の場合、コマンドによって返されるバージョンは、手順 1) の gcc version の場合と同じです。make では、コマンドの実行を確認するだけです。

3) カーネルモジュールを作成するパッケージの適切なバージョンがインストールされているかどうかを確認します。
・Red Hat Enterprise Linux、CentOS、および Fedora で次のコマンドを実行します。

yum list installed | grep kernel-devel

・Ubuntu の場合、次のコマンドを実行します。

dpkg --get-selections | grep linux-headers
dpkg --get-selections | grep linux-image

どちらの場合でも、パッケージのバージョンが手順 1 の Linux version の場合と同じであることを確認します。

4) 次のコマンドを実行して、perl インタプリタがインストールされているかどうか確認します。

perl --version

perl のバージョンに関する情報が表示された場合、インタプリタはインストールされています。

レポジトリからのパッケージのインストール
次の表では、さまざまな Linux ディストリビューションで必要なパッケージをインストールする方法について説明します。
パッケージはディストリビューションのレポジトリからダウンロードされ、インストールされます。
他の Linux ディストリビューションについては、必要なパッケージの正確な名前およびインストール方法に関してディストリビューションのドキュメントを参照してください。

手動のパッケージインストール
次の場合には、パッケージを 手動で インストールする必要があります。
・コンピュータに Red Hatの有効なサブスクリプションまたはインターネット接続がない場合。
・セットアッププログラムがカーネルバージョンに対応する kernel-devel または gcc バージョンを見つけることができない場合。使用可能な kernel-devel がカーネルよりも新しい場合、カーネルを更新するか、一致する kernel-devel バージョンを手動でインストールする必要があります。
・必要なパッケージが既にローカルネットワークにあるため、自動的な検索とダウンロードに時間をかけないようにする場合。

ローカルネットワークまたは信頼されているサードパーティのウェブ サイトからパッケージを入手して、次のようにインストールします。
・Red Hat Enterprise Linux、CentOS、または Fedora で、ルートユーザーとして次のコマンドを実行します。

rpm -ivh PACKAGE_FILE1 PACKAGE_FILE2 PACKAGE_FILE3


・Ubuntu の場合は、次のコマンドを実行します。

sudo dpkg -i PACKAGE_FILE1 PACKAGE_FILE2 PACKAGE_FILE3


例: Fedora 14 にパッケージを手動でインストールする
32 ビットコンピュータの Fedora 14 に必要なパッケージをインストールするには、次の手順に従います。
1) カーネルのバージョンと必要な GCC バージョンを確認するには、次のコマンドを実行します。

cat /proc/version

このコマンドの出力には、次の内容が含まれます。

Linux version 2.6.35.6-45.fc14.i686
gcc version 4.5.1


2) このカーネル バージョンに対応する kernel-devel および gcc パッケージを入手します。

kernel-devel-2.6.35.6-45.fc14.i686.rpm
gcc-4.5.1-4.fc14.i686.rpm


3) Fedora 14 用の make パッケージを取得します。

make-3.82-3.fc14.i686


4) ルートユーザーとして次のコマンドを実行して、パッケージをインストールします。

rpm -ivh kernel-devel-2.6.35.6-45.fc14.i686.rpm
rpm -ivh gcc-4.5.1.fc14.i686.rpm
rpm -ivh make-3.82-3.fc14.i686


これらのすべてのパッケージは、1 つの rpm コマンドに指定できます。インストールするこれらのパッケージの一部では、依存性を解決するために、追加パッケージのインストールが必要になることがあります。



4. エージェントをインストールする

  1. コンピュータがインターネットに接続されていることを確認します。
  2. rootユーザーとしてインストール ファイルを実行します。
    ネットワーク内でプロキシサーバーが有効な場合、ファイルを実行するときに、サーバーホスト名/IPアドレスとポートを
    --http-proxy-host= ADDRESS --http-proxy-port= PORT
    の形式で指定します。
  3. インストールするエージェントのチェック ボックスを選択します。次のエージェントを使用できます。
    ・エージェント for Linux
    ・エージェント for Virtuozzo
    エージェント for Oracle
    エージェント for MySQL/MariaDB

    ※Virtuozzo/Oracle/MySQL/MariaDBのエージェントの場合は、Linuxエージェント (64bit)もインストールする必要があります。
    右上にあるアカウントアイコンをクリック→[ダウンロード] →[Agent for Linux (64-bit) ]

  4. 登録画面が表示されるまで待ちます。
  5. 次のいずれかを実行します。
    ・[ワークロードを登録] をクリックします。開いたブラウザウィンドウで、
     バックアップコンソールにサインインしてから、
     登録の詳細を確認して [登録を確認] をクリックします。

    ・[登録情報を表示] をクリックします。
     セットアッププログラムには登録リンクと登録コードが表示されます。
     リンクとコードをコピーして、ほかのマシンで登録することができます。
     この場合は、登録フォームに登録コードを入力する必要があります。
     登録フォームへは、[すべてのデバイス] > [追加] をクリックし、
     下にスクロールして [コードによる登録] を表示し、[登録] をクリックして、
     登録フォームにアクセスできます。
     登録コードの有効期限は 1 時間です。
     
     マシンはバックアップコンソールへのログインに使用されたアカウントに
     割り当てられます。
  6. UEFIセキュアブートがマシンで有効になっている場合、インストールの後にシステムを再起動するように促されます。使用するパスワード(root ユーザーまたは「Acronis 」のいずれか)を確実に覚えておいてください。

    注意:
    インストール時には、カーネルモジュールの署名に使用する新しいキーが生成されます。マシンを再起動して、この新しいキーをマシンオーナーキー(MOK)リストに登録する必要があります。新しいキーを登録しないと、現在のエージェントを操作できません。エージェントのインストール後にUEFIセキュアブートを有効にした場合は、エージェントを再インストールする必要があります。
  7. インストールの完了後、次のいずれかを実行します。
    ・前の手順でシステムの再起動をするよう促された場合、[再起動] をクリックします。
     システム再起動中に、MOK(マシン所有者キー)の管理を選択し、
     [MOK を登録] を選択し、前の手順で推奨されたパスワードを使用してキーを登録します。

    ・再起動を促す表示がない場合は [終了] をクリックします。



注意:登録を確認するまで、セットアッププログラムを終了しないでください。登録を再開するには、セットアッププログラムを再開して、インストール手順を繰り返す必要があります。

トラブルシューティングに関する情報は、/usr/lib/Acronis/BackupAndRecovery/HOWTO.INSTALLファイルを参照してください。